ビスケことビスケット=クルーガーは、グリードアイランド(GI)編でゴンとキルアの「第二の師匠」として登場し、作品全体の修行パートの完成度を一段引き上げた重要人物です。
一見すると可愛らしい少女ですが、その内側には、ハンターとしての熟練と、徹底した合理性、そして恐ろしいほどの地力を秘めています。
この記事では、ビスケについて単行本38巻までの情報で整理します。
※この記事は『HUNTER×HUNTER』のグリードアイランド編〜キメラアント編〜王位継承戦(暗黒大陸遠征)に触れます。ネタバレを避けたい方はご注意ください。

ビスケ(ビスケット=クルーガー)とは何者か
ビスケ(ビスケット=クルーガー)は、グリードアイランド編でゴンとキルアの前に現れるプロハンターです。最初は「可愛い少女」の姿で、同行者として自然に紛れ込みますが、物語が進むほどに本性が露わになります。
ビスケは「強い仲間」ではなく、ゴンとキルアを戦える形に仕上げるための人物です。彼女が入ったことで、ゴンとキルアの成長速度、戦術の解像度、そして最終局面の勝ち方が一気に現実味を帯びます。
グリードアイランド編では、ビスケは実質的に「師匠」「作戦参謀」「後詰めの処理役」を一人で担い、ボマー戦の分断作戦を成立させる重要ピースになります。
ビスケの年齢は何歳?見た目とのギャップの正体
ビスケの実年齢は57歳です。少女の外見からは想像もつかず、ゴンとキルアも強烈なショックを受けます。
この「年齢ギャップ」は単なるネタではなく、ビスケというキャラクターの本質に直結しています。ビスケは自分の美意識に強いこだわりを持ち、可憐な外見を「理想」として保持しています。一方で、その理想を維持することは、戦闘力や圧の隠蔽にも繋がり、結果的にビスケは相手を欺く「切り札」を持ち続けられます。
ビスケの「真の姿」とは
ビスケには、普段見せている少女の姿とは別に、筋肉質で大柄な「真の姿」があります。グリードアイランド編の終盤、ボマー一味のバラを相手にした局面でそれが明確に描かれます。彼女は真の姿に戻った途端、バラを一撃で沈めるほどの圧倒的なフィジカルを見せつけます。
重要なのは、真の姿が「怒りで暴走する変身」ではなく、ビスケが任意に戻せる戦闘用の状態として機能している点です。本人の動機はあくまで美意識(可愛い姿でいたい)ですが、戦局が決まる瞬間だけは、その美意識を捨てて勝ちに行く。この割り切りが、ビスケの怖さでもあります。
ビスケの念能力「クッキィちゃん」:戦闘ではなく回復と底上げの能力
ビスケの代表的な念能力は、「クッキィちゃん」を呼び出す能力です。これは戦闘で敵を倒すための能力というより、疲労を抜き、活力を回復させ、トレーニング効率を極端に引き上げるための能力として描かれます。
クッキィちゃんはマッサージと、念で変質させたローションのような手段で、疲労回復・活力回復を行います。加えて、過剰な脂肪を落とす、関節のこわばりや筋肉の緊張などの不調を改善するといった「身体メンテナンス」寄りの効果が示されています。
この能力が物語上で極めて重要なのは、ゴンとキルアが短期間で常識外れの修行量をこなせる理由になるからです。「回復があるから無茶が成立する」。ビスケは能力そのものでも支援しつつ、指導者として二人の限界を押し上げます。
ビスケはなぜ強いのか:戦闘力を分解して見る
ビスケの強さは「能力が強い」だけでは説明できません。むしろ、ビスケの本体性能(身体能力・反射・戦闘技術・念運用・戦術眼)が土台にあり、クッキィちゃんはその上に乗った仕上げです。
① フィジカル:少女の姿ですら致命打を出せる
ビスケは、真の姿でなくとも異常な打撃を持ちます。ビノールト戦では、見た目の可憐さからは想像できない掌底の一撃で相手を崩し、戦況を支配します。真の姿に戻れば、その破壊力はさらに跳ね上がり、バラを一撃で黙らせるレベルに到達します。
② 速度と反射:相手に「動きが見えない」領域
ビスケは速度も反射も規格外です。キルアの反応を上回るスピードで平然と攻撃を通し、相手の意識・視線・死角を理解した上で急所を狙います。これが後述する「指導の説得力」に直結します。
③ 念の運用:理論だけでなく実戦の速度で扱える
ビスケは基礎・応用の念技術(凝・堅・硬・流など)を理屈で説明できるだけでなく、相手が認識できない速度で精密に運用します。ここが「教える人」ではなく「勝てる人」たる所以です。
④ 戦術眼と教育力:勝ち方を示す
ビスケが恐ろしいのは、単体で強いだけでなく、味方を短期間で戦える形に変えることです。グリードアイランド編ではゴンとキルアが、ビスケの課した訓練によって「戦闘の基礎」を積み上げ、ボマー戦で実行可能な戦術へ落とし込みます。
つまりビスケの強さは、個人の破壊力と同時に「育成=戦力化」という形でパーティ全体に波及します。
グリードアイランド編でのビスケ:登場からボマー戦まで
ここからは、グリードアイランド編でのビスケの動きを、物語の役割が分かる形で整理します。
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同行者として接近し、二人を見極める
ビスケは、ゴンとキルアに「自然な顔」で近づきます。可愛い少女の姿、軽い口調、甘えた態度。ところが実際は、出会った時点で二人の素質を見抜いています。
この段階のビスケは、まだ師匠ではありません。ゴンとキルアが自分から心を許し、同行を受け入れるまで「無害な仲間」として振る舞い続けます。
ビノールト戦で格の違いが露わになる
ビスケの「ただ者ではない」側面が分かりやすく出るのが、ビノールト戦です。ビスケは相手の力量を測るように攻撃を受け、そこから一気に差を見せつけて制圧します。ここでビスケの年齢(57歳)も明かされ、ゴンとキルアは「見た目の可愛さ」と「中身の圧」を同時に突き付けられます。
この戦いは、敵を倒すためのイベントではなく、ビスケが二人の前で「師匠に足る存在」だと証明する儀式です。
修行:基礎を実戦で使える速度に落とし込む
ビスケの修行は厳しいだけではなく、目的が明確です。二人に足りないのは「技」ではなく、戦闘の土台(防御・観察・攻防配分・疲労下の判断)だと見抜き、そこを徹底的に鍛えます。
ビスケの指導の特徴は、念の概念を説明するのではなく、「できるまで殴る」「できるまで回す」「できるまで維持させる」といった形で、身体に刻み込む点です。二人が急成長するのは、才能に加えて、この現場型の指導が噛み合ったからだと考えられます。
ボマー決戦:分断作戦を成立させる「処理役」
ゲンスルー、サブ、バラの3人が揃った正面衝突では勝ち目が薄い。そこで重要になるのが分断です。そして分断後、実行フェーズを支えるのがビスケです。
キルアがサブを、ゴンがゲンスルーを担当する以上、残るバラを確実に止める役が必要になります。そこでビスケが担当し、最終的に真の姿を見せてバラを一撃で無力化します。
その後のビスケ:キメラアント編での再登場
グリードアイランド編が終わった後、ビスケはしばらく前線から姿を消すように見えますが、キメラアント編の流れの中で再び重要な役割を果たします。

ゴンとキルアがモラウの弟子(ナックル、シュート)に挑むための「1か月の猶予」の局面で、パームがビスケを呼び、二人の訓練を補助させます。訓練内容は苛烈で、代表例が「練を3時間維持してからナックルに挑む」という繰り返し修行です。疲労の極限で戦うことで、実戦の質を無理やり引き上げます。
さらにビスケは、キルアの「逃げ癖」を真正面からえぐります。危険を察知して撤退できる判断力は長所でもありますが、ここでは「土壇場で仲間を捨てる可能性」へ直結する欠点として扱われ、ビスケはそれを言語化して突き刺します。
この再登場で強調されるのは、ビスケが優しい回復役ではなく、「勝つために必要なら精神の弱点まで矯正する師匠」だという点です。グリードアイランド編で見えた本性が、よりはっきりします。
暗黒大陸編(王位継承戦)で出番はある?ビスケはどこにいるのか
ビスケは王位継承戦(暗黒大陸遠征の船内)でも登場します。クラピカが王子たちの護衛に入り込むため、信頼できるプロハンターを複数集める局面で、ビスケも協力者として招集されます。

このときビスケは、キルアの助言を踏まえた扱い方でクラピカに口説かれ、最終的に第13王子マラヤーム陣営の護衛に就きます。船内では、念獣の存在や性質について意見を述べたり、状況に応じて真の姿を見せて一般人へ念の現実味を叩き込むなど、戦闘力と知見の両方で役割を担います。
ビスケは死亡した?最期はどうなる?
現時点で、ビスケは死亡しておらず、王位継承戦(暗黒大陸遠征)でも行動が描かれており、少なくとも「死亡した/退場した」と断定できる描写はありません。
ただし王位継承戦は、護衛・マフィア・念獣・暗殺が複雑に絡む「消耗戦」です。ビスケは強い一方で、守る対象(マラヤーム陣営)の状況に引きずられて行動制約を受ける可能性があります。いわゆる「強いから安全」という世界ではないため、今後の展開次第で危険が増す余地は十分あります。
まとめ
ビスケは、可愛い見た目と裏腹に57歳のプロハンターであり、真の姿では圧倒的なフィジカルを誇ります。念能力は回復・調整寄りの能力です。
グリードアイランド編では師匠兼参謀としてボマー戦の土台を作り、キメラアント編では限界突破の訓練で二人を実戦に押し上げ、暗黒大陸遠征(王位継承戦)では護衛として船内の異常事態に関わります。
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